一言語にあっては、同一の言語表現にもさまざまな表現が可能である。そうした一言語内部における表現のバラエティを全体として捉えた概念。
「
標準語」「
方言」を「標準変種」「地域変種」などと呼ぶことにより、標準語・方言という用語にまつわる価値的な差別意識(標準語が立派で、方言は訛っているなどの偏見)から自由になり、科学として平等に各表現を論ずるために必要な概念。社会階層、個人、場面などによっても異なる表現が可能である(政治家らしい言葉遣い、漱石特有の表現、結婚式での言葉遣いなど)から、標準的表現以外にもたくさんある言語表現を、言語学が研究対象として取り入れようとするときに必要である。
元々は、方言学・
社会言語学において「方言」の概念を拡張して使い始めた用語である。