その言語集団の中で、規範的と考えられている言語(変種)。現代日本においては、共通語と類義の用語として用いられている。その言語の実質が共通語と大差無いと思われているからである。
日本語学の用語としては、言語をその規範性に注目して捉えた概念と言える。したがって、国家の言語政策など社会言語学的な分野において多用される用語である。規範として権威を持つので、教育(特に国語教育)において目標とされる言語であり、一般社会からは「正しい」「良い」という肯定的評価が与えられる。この表現が「正しい」と認定することになるから、表現が現実に存在する点で、実在する言語の概念である。書記体系を持ち、テレビのニュースの言葉として用いられるなど、書き言葉的な性格を持っている。
岡倉由三郎が最初に使用したとされるが、上田万年(かずとし)によって standard language(英語)/ Gemeinsprache(ドイツ語) の訳語として自覚的に導入された。その時点では、日本民族を象徴する言語というニュアンスが込められていた。