創価ホスピタリティ

学生部長 山岡政紀


千客万来の創価大学

 

創価大学ほど、世界からさまざまな賓客が訪れる大学は稀であろう。何と言っても、創立者池田大作先生に贈られる名誉学術称号の授与式の約七割以上が、わが創価大学で執り行われている。本年に限って言えば、先生に授与された22件の名誉学術称号(11月22日現在)のうち、15件が創大で授与されている。

池田先生は、創価学会インタナショナル会長であり、また、創価大学以外にも、創価学園、東京富士美術館、民主音楽協会、東洋哲学研究所、戸田記念国際平和研究所など、平和、文化、教育に関わる多くの機関を創立されているが、先生への授与式の会場として創価大学を使ってくださることを、心からの感謝と敬意をもって拝している。そのことは聖教新聞に寄稿した拙文にも記した通りである。

そして、授与式以外でも、創立者の在不在にかかわりなく、創立者を慕う賓客が、およそ3日に一度ぐらいの頻度で本学を訪れている。賓客の到着時には、教職員の代表とともに必ず学生の代表も参加して、満面の笑顔と真心の拍手で出迎えるのが伝統となっている。

 

学生による真心の歓迎

 

歓迎をリードしてくれているのは、学生自治会渉外部と学友会来学者担当だ。学生自治会渉外部が担当する「創価友誼之証」は、本学学生の総意として授与を決定し、証書や盾に刻印する文章も、その方の業績を学生が丹念に調べて文案を作り、先方の言語への翻訳も学生が語学力を駆使して作成している。式典の際に読み上げるのも授与するのも学生だ。教職員の手は一切入っていない。

学友会来学者担当は、賓客の国や地域と関わりのあるクラブを結集して、歓迎行事を運営してくれている。本学には、中国研究会、ロシア研究会、ラテン・アメリカ研究会、東南アジア研究会、ハングル文化研究会など、世界各地域の言語・文化・社会などを自発的に学ぶ学術系クラブが多数ある。彼らは日頃鍛錬している語学力で歓迎の言葉を述べたり、民族衣装を身にまとい、かの国の舞踊や歌唱を披露したりしながら異文化への敬意をもって友情の心を表現する。

時には、日本舞踊部、茶道部、箏曲部などが、日本の伝統文化で歓迎する。日本文化への誇りと異文化への敬意とは表裏一体のものだ。賓客の方から日本文化を学生と共に体験したいと希望されることもある。

 

賓客からの手紙

 

創大生たちは何か特別なことをしているわけではなく、世界平和のための誠の友情の心を創立者から教えていただいている彼らにとっては、ごく自然な振る舞いなのだが、日本の大学をいくつも訪問された賓客の方々が創大生の歓迎と眼の輝きに大変驚かれる。

1998年12月、日本で中国語教育に携わられている朱新建湖南師範大学客員教授を本学にお迎えした。朱先生は、文学の池の畔にある周桜の前で中国研究会の学生の歓迎を受け、その後、学生の合唱・管弦楽による第九演奏会を鑑賞された。後日、朱先生からは長文のお手紙が寄せられた。そこには創大生の限りなく純粋な真心の歓迎を受けた感動、創大生の生命力に満ちあふれた演奏・演技に触れた感動が連綿と綴られていた。そして、その感動を湖南師範大学の学長に報告されことが一つの契機となり、1999年9月10日の湖南師範大学から池田先生への名誉教授称号授与が実現したのであった。

私は、たまたま朱先生からのそのお手紙を拝読したことで、創立者の心が創大生の心に染みわたっている事実、そしてそのことが賓客の方々の眼にどう映っているのかを再認識することができた。そして、ここに先生の人間教育の偉大さの一端が表れていることを確信したのである。

 

師弟の創価ホスピタリティ

 

それ以来、「創価ホスピタリティ」という言葉を誰からともなく耳にするようになったが、公式な場で初めてこの言葉を拝聴したのは、昨年(2008年)の11月28日に開催された「創大第二幕創価学友の集い」に寄せられた創立者池田先生からのメッセージであった。

 

君たちの真心あふれる創価・ホスピタリティーの大歓迎に、世界の識者がどれほど胸を熱くして感動していることか。いつも本当にありがとう!」と。

 

本日開催された「創大第二幕第2回創価学友の集い」にも、創立者はメッセージを寄せてくださり、そして、そこにもこの言葉が記されていた。

 

世界の来賓も、創価ホスピタリティーが輝く君たちの大歓迎に、何よりも心を打たれ、最大の忘れ得ぬ思い出とされています。いつもいつも、本当にありがとう!」と。

 

創立者と同じ心で賓客を迎える創大生の姿を、創立者ご自身が温かい眼差しで見守ってくださっているのである。

賓客の歓迎を通して学んだこの真心を、いつまでも忘れることなく、世界に通用する豊かな見識、実力、語学力を備えた人材が、本学より陸続と輩出されていくならば、その人たちの手で世界平和への確実な前進の一歩が記されることは間違いないと確信するものである。

 

 (「創大第二幕第2回創価学友の集い」を終えて) 2009.11.20


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