創立者への世界一の“英知の宝冠”を慶祝
〜大誠実の心を創大生へ! 授与式は峻厳な継承の儀式〜
創価大学には、連日のように海外からの賓客が訪れ、キャンパスは、まさに千客万来の賑わいである。一行が本学に到着する際には、学生の代表が温かい拍手と満面の笑顔で出迎えるのが常となっている。学生たちは、民族衣装を身にまとい、かの国の歌や踊りを披露して一行への敬意を表し、日ごろ鍛錬する語学力を用いて、先方の言語で歓迎の意を述べる。
この真心の歓迎は、今や「創価ホスピタリティ(=温かく親切にもてなす心)」の名で定着しつつある。来学者のある方は、この歓迎を創価大学での最も印象的な光景と述懐され、またある方は、一人一人の学生の瞳の輝きに“池田先生の人間教育の偉大さを見た!”と、讃嘆してくださった。
近年、創立者・池田先生に贈られる名誉学術称号の授与式の多くが創価大学で挙行されている。名誉学術称号は、授与する大学に出向いて拝受するのが通例である。しかし、先方の総長・学長のほうから、訪日しての授与を希望してこられるケースが増えている。その熱意の強さは、「私たちの名誉博士号を受けてくださることにより……池田博士は自身の輝きを、この名誉博士号に与えてくださったのです」(インド・デリー大学のメータ副総長)との言葉にも表現されている。
本年10月の創大祭・白鳥祭の記念行事の折には、インドネシア大学の学長、理事長らが来学され、「名誉哲学・平和博士号」が授与された。これは、同大学が国外で授与する初めての名誉博士号であった。
こうした意義深き式典に臨まれる先生のお姿から、私は次の2点を深く感じている。
第1に、先生はその栄誉を毎回、必ず牧口先生や戸田先生に献呈される。
第2に、先生は名誉称号を学生と共に拝受してくださる。一行の出迎えだけでなく、授与式にも必ず学生の代表が参加させていただいている。
先生は名誉学術称号の栄誉を、決してご自身お一人に留めようとはされない。戸田先生の遺志を継いで実践してこられた世界平和の大河の流れを、戸田先生のご遺命として創立された創価大学の学生へと継承しゆく、峻厳なる師弟の儀式の場にしてくださっている。
先生の平和行動は、一切の虚飾や利害・打算を排した徹底的に誠実な対話により、相互信頼、相互尊敬の友情を築きゆく尊い労作業の積み重ねであった。
「心こそ大切なれ」――先生が創大生に何度も贈られたモットーである。誠の心こそが真の平和と友情を築く。その実証の場が授与式であり、創大生をその意義に連ならせたいというのが先生の真心に違いない。その師の思いを体現した友情の心が、学生たちの「創価ホスピタリティ」となって表れている。これ以上の人間教育がどこにあるだろうか。
インドネシア大学からの授与式で、先生は「世界市民の実践哲学」として「勇気」「智慧」「勝利」の三つを示され、創大生にこう語りかけられた。
「今はどんな立場であろうとも、それぞれの使命の道を自分で見つめながら、悠然と青春時代を生き抜いてください!」
そして師弟が声を合わせ、“青春、万歳!”の三唱を。グミラル学長は「創立者と創大生との触れ合いに感動しました。先生への授与式を創価大学で実現できてよかったと心から思います」との感想を寄せられた。
名誉学術称号の意義を創大生に託そうとされる厳粛な光景を目の当たりにするたびに、この「真実」を、何が何でも未来に語り継がなければと、心に固く誓うのである。
聖教新聞2009年11月19日付寄稿