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42期生の模擬授業から

 演習Ⅰの模擬授業がはじまりました。3回生が教科書や指導書を見なが単元の指導計画・指導案を作っています。それらを公開します。

・第3学年の単元「電気で明かりをつけ よう」 の指導案

指導案(電気で明かりをつけよう)

・第4学年の単元「水のすがた」の指導案

指導案(水のすがた)



「水のすがた」の模擬授業は、指導案を見ていただければわかるように、水を加熱して沸騰させると水蒸気が発生することを指導する内容で すが、授業後の協議で は児童への主発問の難しさまとめの難しさが指摘されていまし た。指導書にある学習課題「湯気やあわは、水が変化したものだろ うか」をそのまま児童に問うと、結論の誘導になってしまいます。どんな「問い」にするのか??これからも試行錯誤は続きます。また、まとめでは、

1 実験で直接わかること

2 考え方や知識として教えること

をしっかり意識しておくことが求められます。ここでは、1は、

1-1 水の加熱していくと内部で泡が発生する。

1-2 その泡が水面から外部に出ている。

1-3 水面の少し上では湯気が見える。

1-4 泡や湯気を袋などで集めると袋の中に水滴が見られる。

この4点です。したがって、実験のまとめとしては、これらを列記することになります。これらの事実を組み合わ せ、水蒸気の存在を推論させるのが次の段階ですが、ここでは水蒸気という”目に見えないもの(気体)”は教師がモデルとして導入しなければ なりません(=教えること)。その推論のさせ方の一例は次のようになるでしょう。この推論は実験後の次時の指導の骨子となるものです。「泡は何だと思ういます か?」と いった露骨な問いはさけたいものです。塾通いで先に知識を得ている児童が簡単に答だけを言ってしまったのでは、子どもたちに科学的思考を身に付けさせるのが難しくなるから です。

2-1 水の中でできた泡は水面から出てどうなったんでしょうか。(泡は見えないけれど、もし どこかへ行ってしまったんだったら、水面上に何も起こらないはずですね。)

2-2 その泡と白っぽくみえる湯気には何か関係があるのかな。(水の中で泡が発生し、水面の 上で湯気が見える。関係がありそうですね。)

2-3 その泡は空気と考えていいのかな。(もし空気なら、袋の中の水滴はどう説明すればよい でしょうか。)

2-4 その泡に適切な名前を付けましょうよ。(水気という名が出てきたら、「水○気」という ように○に何か漢字か言葉を入れてみましょう。)

このような問答を通して、水そのもの気体としての「水蒸気」を教えることになる。そして、モデル「→(加 熱)→水蒸気(気体で見えない)→(冷却)→湯気(微 少な水滴)」 という状態変化を教える。そのとき、沸騰と蒸発の違いにもふれておきたい。水は絶えずその表面から蒸発して水蒸気になっていることもおさえた い。このモデルで考えたとき、実験事実(1-1~1-4)が整合的に合理的にスッキリと説明できる。このスッキリ感を実感させることが必要である(科 学的思考の合理性)。

 また、協議では指導における「知識が自然や生活とどう関わっているかという視点」の必要性も指摘された。湯気ができる ようにして雲ができていることは、第5学年の単元「天気の移り変わり」につながるし、学校で学んだ知識が生活とも関連が深いことを実感させることにもつなが る。また、古い話だが蒸気機関のような熱機関が産業革命の機動力となって近代社会が生まれたことも大きな歴史的事実である。このような有用感を実感させること も理科では必要である(科学的思考の有用性)。


・授業の様子

上から、「電気で明かりをつけよう」、「水のすがた」の順です。最後は、聞いている学生たちです。結構楽しそうでした。

授業(1回目)

授業(2回目)

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