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担当する授業から-何を求めて??-

教育学部では次の授業を担当している。

授業間の関連は右の図の通り。
科学・技術、脱原発に関連する題材がどの程度入っているかを印 の大きさで示している。印が大きいほどたくさんの内容が入っている。
理科教育(必修)」では、拙著「小学校理科-物理・天文分野の指導-」を用いて小学校理科の内容と指導法を教え る。15回のうち1回だけだが、 原発の仕組みと福島原発事故、理科教育の今後の在り方について学ぶ。
演習Ⅰ・Ⅱ」は3年生のゼミ、「演習Ⅲ・Ⅳ」は4年生のゼミ。小学校理科の 模擬授業、科学館などへ出向いての現地学習、科学的リテラシー、放射線の基礎、脱原発へのシナリオ作りなどを学ぶ。演習Ⅳは卒業研究(卒論)とも関係 してくるが、これと卒論が選択になっているためか、卒論をしない 学生が増えてきた。これまでは、卒論を続けるも途中で断念する学生が少数いたが、今年度は最初から卒論をともなう演習Ⅳを履修しない学生が出てき た。大学では学生が何か一つ自分らしい研究を残すものだ という考えは古いのだろうか。講義がアクティブなものに進化し、学生が受け身の 姿勢を変えていくことは大事だが、卒業研究は一つのテーマのもとに探究的姿勢の育成を通して講義とは異なる人間形成を視野に 入れたものであった(少なくとも 筆者が学生であった時代)学 生の世界では、卒論に費やす時間が資格取りやさまざまな活動に代わってきている実態が見える。
エネルギー科学基礎(選択必修)」では、粒子・エネルギーの基礎、太陽電池、原発のしくみ、放射線、科学的リテ ラシーなどを学ぶ。拙著「理科概 論-エネルギー科学基礎-」は、見かけはエネルギー全般の総説になっているが、通して読めば脱原発に向かう裏筋があることがわかるだろう。
生活科学(必修)」では、拙著「生活科学」を用いて、生活と関連させた理科的内容を重視した科学を学ぶ。その 際、電磁波、放射能、エネルギーを 題材にする。予防原則を常に意識して、批判的思考など科学的リテラシーに留意している。
理科実験(選択必修)」では、自作テキスト(共著)を用いて、物理・化学・生物分野の実験、自然観察、大学構内 放射線測定などを行う。その際、 科学的skillと態度の育成、科学的リテラシーの育成に留意している。金曜の2コマ連続。教 職大学院のプロ3の学生は必ず履修している。

通信教育部では2科目担当している。

理科概論」は、年間120人ほどがスクーリング科目として受講し、スクーリング時に10回の授業を受ける(5 回 はDVDによる講義の視聴)。そ れ以外に、レポート科目として学ぶ方がやはり120人ほど。拙著「理科概論-エネルギー科学基礎-」を用いて、教育学部の「エネルギー科学基礎」 と同様の内容で行っている。通信教育部では、レポート科目として「理科教育」も担当している。

教職大学院では次の授業を担当している。

授業間の関連は右の図の通り。
人間教育事例分析研究」では、教育の視座から人間と科学・技術の関連を学ぶ。福島原発事故を通して、日本の理科 教育における科学的リテラシー育 成の必要性にふれる。また、子どもの認知の発達について学ぶ。
教科等の指導開発研究(理科)」では、原則として観察・実験を行いながら科学的リテラシー育成の方途を探る。ま た、脱原発に向けた小中理科の教 材化を行う。
教職課題研究C」は院生の研究指導(ゼミ)であり、社会科、理科における教材化を視野に、教職課題論文作成のた めの質的研究・量的研究の指導を 行う。
教職大学院では、これ以外に「学習指導Ⅱ」、「実地研究(奈良)」も担当して いる。

教育学研究科では1科目を担当する。

心理統計学特論」では、自作テキストを用いて、量的研究法の基礎(統計学)を機軸に、アンケートの分析から分 散分析や因子分析までいく(物理専門なので数学を担当することには負い目もある)。その際、科学的リテラシーを意識した 講義・実習を行う。実習は中央棟のパソコン室でSPSS最新版を使う。自作テキストに 被曝の統計を例題に入れることを検討している。教 職大学院生の自由聴講も増えてきている。実習期間中に取る生徒のデータの分析に生かしてもらっている。