38期卒業生の皆さんへ

学生部長 山岡政紀


 

38期卒業生の皆さん、晴れのご卒業誠におめでとうございます。ご家族の皆様もいかばかりかお喜びのことと拝します。心よりお祝い申し上げます。

 

皆さんが創大の門をくぐった4年前を思い起こしております。数年に及ぶ受験勉強の末に悲願の合格を勝ち取った友。経済的困難に直面しながら、ご両親が勇気をもって送り出してくれた友。名門大学に合格しながら、敢えて建学の志を抱いて本学に集った友。使命ある38期生がそれぞれの道を経てここ丹木の丘のキャンパスに、地より湧き出ずるが如く集い来た不思議な縁に胸が熱くなるのを覚えます。そして、この地で切磋琢磨し、人間としても社会人としても大成長を遂げて、今再びそれぞれの使命の地へと、皆さんは飛翔されようとしています。学生部長として4年間、皆さんと縁することができた我が身の福運に心からの感謝を申し上げたいと思います。

 

創価大学は創立者・池田大作先生が示してくださったとおりの人間教育の最高学府です。そして創立者ご自身がそのことを先頭に立って示し続けてきてくださいました。

38回入学式(20084月)の席上、80歳を迎えられた創立者はトルストイを記念するロシアのトゥーラ国立教育大学より名誉教授称号を受章されました。青春時代に恩師・戸田城聖先生のもとでトルストイを熟読された先生が、50年余にわたる世界平和への献身の末にトルストイの玄孫から歴史的な栄誉を受けられたことは、何と意義深く偉大な出来事だったでありましょうか。その場に触れさせて頂いたこと自体が最初の人間教育でありました。さらに先生は授与式の謝辞の中で、読書や語学の重要性とともに、文豪が遺した「努力は幸福を手に入れる手段ではなく、努力そのものが幸福を与えてくれるのである」との言葉を私たちへの指針として示して下さいました。また、「親を思い、友を思い、他者を思う心を養っていくことが創価教育」とも教えて下さいました。

 

この指針の通りに、確かな学びの心をもって、自身の英知と人格を磨いてきたのが我が38期生の皆さんです。昨年311日には未曾有の大震災を経験しました。実家が被災した友もおりました。そして、社会全体が激動を余儀なくされ、就職氷河期にも拍車がかかりました。こうした現実にも自らの使命を見つめ続けて努力を絶やさなかった俊英たちの中から、経済学検定団体9連覇の壮挙も生まれました。難関の国家試験、教員採用試験、公務員試験、企業就職においても陸続と勝利の報告がありました。留学先で高い評価を得て、卒業後再び海外に雄飛する友もいます。女子柔道日本一、神宮野球大会ベスト4のさわやかな活躍も忘れられません。

 

創立者のもとから大学生活を出発した皆さんは、再び創立者のもとから巣立ちます。先生はご健在です。皆さんの活躍をいつまでも温かな眼差しで見守り続けてくださることでしょう。胸を熱くして、ご両親への報恩、そして創立者への報恩の人生を、共々に送って参りましょう。

 

創価大学は皆さんの魂の故郷です。ひとたび飛び散ったように見えても、その魂魄は師と共にこの地にあります。社会の荒波に疲れたときはいつでもこの故郷に帰ってきてください。皆さんのご健康とご活躍を心よりお祈りいたしております。

 

2012.3..21 (『師弟共戦』創価大学38期卒業文集より)


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