36期卒業生の皆さんへ
学生部長 山岡政紀
36期生の皆さん、ご卒業誠におめでとうございます。希望と不安が交錯するなか、故郷を離れて創大の門をくぐり、満開の桜並木に祝福されて池田記念講堂での入学式に臨んだ2006年4月から早や四星霜。誠に「光陰矢の如し」を実感致しますが、一人ひとりが大きく成長して今日の日を迎えたことと思います。皆さんの旅立ちを心よりお祝い申し上げます。御自身はもとより、御両親、御家族のお喜びはいかばかりかと拝察申し上げます。
この4年間、多くの出会い、多くの苦闘があったことでしょう。親友と共に学業を切磋琢磨したこと――、寮で同室の友人と喧嘩したこと――、創大祭の準備で様々な葛藤を乗り越えて成長を実感できたこと――、留学先で食べ物が合わず、日本が恋しくなったこと――、就職がなかなか決まらず、挫けそうになりながら、とうとう採用通知をもらった日のこと――、本当に人生の財産となる掛け替えのない思い出がぎっしり詰まっていることと思います。私自身も創大教員の一人として、皆さんとの出会いを振り返りながら、熱くこみ上げてくるものがあります。
創大は、皆さんが実感されている通り、学生一人ひとりに何のためという人生の目的と使命を気づかせ、生命の内に秘めた偉大な可能性を大きく引き出し、力強く聡明で心豊かなリーダーへと育てる、誠に希有な人間教育の学府であります。それは本学が、人類のために献身的な人生を歩んでこられた比類なき偉人である池田大作先生が創立され、その半生を捧げて築いて下さった大学であるからに他なりません。
2006年10月の創大祭の席上、歴史的な200号の名誉学術称号が創立者に授与された時、皆さんは一年次生として歴史の証人となりました。これを含めて、この四年間に創立者が受章された名誉学術称号は90にも及ぼうとしています。その授与式の大半を、創大キャンパスで執り行って下さった創立者のお心は、世界平和へのバトンを後継の創大生に譲り渡さんとの願いに満ちていたことは間違いありません。
創大キャンパスは、目には見えねども、創立の心が満ち満ちた豊かな生命空間でありました。そのことを知り、実感した皆さんの魂魄は永遠に創立者と共にこの土にありと申し上げたいのです。
この生命空間で汗を流した同期生の中から、ある友は大学野球のリーグ新記録を樹立し、ある友は憧れの箱根駅伝を走りました。TOEIC満点をたたき出した友、経済学検定日本一5連覇を樹立した友、国家公務員T種試験の壁をこじ開けた友、40倍の難関の教員採用試験に合格した友、そして、目立たなくとも、地道な取り組みで、自身の使命の道を拓いた大勢の友が雄々しく成長の証を示しました。既に勝利の軌道に乗っている皆さんの人生の本舞台はここからです。縁深き創大36期生として集った誇りを忘れることなく、世界のどの地にあっても、健康第一で勝利を勝ち取っていってください。
私もこの生命空間で皆さんの魂魄と共に生き、さらに皆さんの後輩たちのために尽くし抜いていく覚悟です。どうかお元気で。――永遠の同志に感謝の心を込めて
2010.3.21
(『創価栄光』創価大学36期卒業文集より)