友光寮卒寮生の皆さん、卒寮誠におめでとうございます。
創価大学は1971年4月の開学より、いよいよ満40周年を迎えます。キャンパスはこの40年の間に大きく発展しました。中央体育館跡地には、新総合教育棟の建設工事が始まり、卒寮生の多くを占める40期生が4年生となる2013年の完成を目指して工事が行われます。
友光寮も早や20年の歴史を経て、多くの人材を輩出し、歴史を積み重ねて参りました。そして、皆さんの卒寮とともに、ひとたび休業し、未来の後輩たちに更なる良好な住環境を提供すべく、大幅な改修工事に入ることとなりました。一年間休業したとしても友光寮の伝統、友光寮の精神は、ひとたび男子寮全体の中に溶け込み、明年2012年3月には再び、新・友光寮に集う友の心に必ずや受け継がれ、厳然と続いていくと確信致します。
友光寮において変わらないもの、それは第一に、あの愛着のある建物、そして、慣れない自炊に、それぞれが懸命に挑戦する補食室の光景でしょうか。
第二に、志を同じくする生涯の友との出会いを果たした友情の城であることです。この城で深夜まで語り合ったこともあったでしょう。生活を共にするがゆえに互いの欠点がよく見えてしまって嫌な思いをしたことも、若いのだから当然あると思います。それらのすべてが、最高の財産であり、その輝きは将来、時を経てますます光を増すと確信します。
第三に、建学の精神を脈々と伝えゆこうとする、誠実で真摯な先輩と後輩の関係です。これもまた一つの友情の姿であります。
そして、第四に、何よりも、友光寮生の成長を心から願い、見守り続けてくださっている創立者・池田先生の真心であります。友光寮には常に創立者のお心が、また、お生命が充満しています。その師弟の呼吸の中で勉学に励むことができる友光寮生は何と幸せなことかと思います。
それだけここに集った友光寮生は全員が福運に満ち、全員が大きな使命を担っているのです。ここから多くの人材がこれまでも世界に、社会に陸続と輩出してきました。このたび卒寮する皆さんの中から、様々な分野の人材が躍り出ることを確信しております。
数々の思い出があることでしょう。入寮の日、不安と希望が交錯するなか、寮にやって来て、親切に荷物運びを手伝ってくれる先輩とうち解けて安心したこと。SUNSUNスポーツフェスティヴァルでは、寮長どうしの騎馬戦や寮対抗のリレーに興奮したこと。青春城総会を迎える日まで、部屋の先輩や同輩と建学の精神を語り合ったこと。そして、そうした折々に、創立者がたびたびのご伝言や激励の品を寄せてくださったこと。一つ一つがすべて皆さんの使命深き人生を築き上げる大きな要素となっていることを確信いたします。
どうか皆さんは、友光寮卒寮生の誇りを忘れることなく、更に学業に邁進し、自身の使命を果たす分野への進路を獲得して行かれることを心から願っております。卒寮生の皆さんのご健康とご活躍、そして勝利をお祈りし、私の寄稿とさせていただきます。
2011.2.3 (友光寮卒寮文集『友光家族』より)