滝山寮卒寮生の皆さん、卒寮誠におめでとうございます。
昨年春、私たちは東日本大震災という未曾有の事態に直面し、滝山寮においても入寮が一ヶ月遅れるという40年の滝山寮史上、前代未聞の事態が発生しました。
この時に集う新入寮生とはどんな使命深く友なのだろうか――そう思いめぐらしながら5月に迎えた皆さんの表情は、凛として前を向き希望にあふれた力強い姿でありました。中には被災地で自らも被災しながらボランティア活動に奮闘し、そして集った友もいました。それぞれが自身の目標を胸に抱いて満を持して集い来たことを確信しました。
そしてこの青春の城で過ごした9ヵ月は皆さんにとって掛け替えのない人生の宝となったことを確信いたします。
あの愛着のある建物、友人と密着して過ごす10人部屋。窮屈なようでそれはそれで味わいのある住まい――そこは志を同じくする生涯の友との出会いを果たした友情の城でありました。この城で深夜まで語り合ったこともあったでしょう。時にはぶつかり合うこともあったでしょう。それも含めてすべてが最高の財産であり、その輝きは将来、時を経てますます光を増すと確信します。
そして、何よりも、滝山寮生の成長を心から願い、見守り続けてくださっている創立者・池田先生の真心に何度も胸を熱くしたことでしょう。滝山寮には常に創立者のお心が、また、お生命が充満しています。その師弟の呼吸の中で勉学に励むことができる滝山寮生は世界一幸せな寮生であると確信します。
この滝山寮に集った皆さんは全員が福運に満ち、全員が大きな使命を担っていることは間違いありません。これまでも優秀な先輩方がここから世界に陸続と飛翔しました。このたび卒寮する皆さんの中からも、さらにまた有為な人材が躍り出ることを確信しております。
どうか皆さんは、滝山寮卒寮生の誇りを忘れることなく、創大生の中核となり、更に学業に邁進し、自身の使命の道をひた走りに走って行かれることを心から願ってやみません。卒寮生の皆さんのご健康とご活躍、そして勝利を心よりお祈りし、私の寄稿とさせていただきます。
2012.2.8