品詞

単語の語彙分類の一つ。文法論的基準による語彙分類でり、語形変化などを説明する場合に、いちいちの語を挙げなくても、「動詞では~~」などと一括して説明できるので便利である。ヨーロッパではラテン語文法を基礎として、現代の各国語においても利用されている。日本では、中国語学・歌学に端を発し、国学とヨーロッパ語文法の影響を受けて発達した。学校文法では、「動詞、形容詞、形容動詞、名詞、副詞、連体詞、接続詞、感動詞、助動詞、助詞」の10品詞を立てる。現代の言語研究でも踏襲されているが、形容動詞を形容詞の中に含め、助動詞と助詞を単語以下のものとして品詞分類の対象にしない場合が多い。あるいは、「存在詞」「指示詞」「後置詞」のような品詞を認める立場もある。
金子の授業では、品詞名である「名詞」や「動詞」など「-詞」とある用語は、頭の中にある語を整理する枠組みとして、語彙論・形態論の用語であり、「述語」や「修飾語」など「-語」とある用語は、実現された文を分析する用語として、統語論で使うと説明している。