文学部人間学科三指針(2007.4.2)

一.生命の尊厳の探究者たれ!

一.人類を結ぶ世界市民たれ!

一.人間主義の勝利の指導者たれ!

「文学部人間学科三指針」に感謝!

 

本年4月より、創価大学文学部が従来の5学科を統合し、「人間学科」1学科7専修となりました。  

新出発に際し、うれしいことに、創立者の池田先生より「文学部人間学科三指針」をいただきました。

この力強い三指針の大激励に、私たち人間学科教授陣は、新入生ともども、喜びと決意にわいています。  

人間学科の一教授として、この三指針への私の所感と決意を述べさせていただきます。                         

一.生命の尊厳の探究者たれ!

「生命の尊厳」こそ、世界平和への根本原理です。しかし、20世紀の科学は、なぜ生命が尊厳なのかを解明できませんでした。生命科学も医学も、これを暗黙の前提としたまま発展してきました。

原理が不明なため、脳死や遺伝子操作など、生命倫理に関わる新たな諸問題に明確な答えが出せないでいます。

しかし、21世紀の科学は、この「生命の尊厳」という根本原理を直視し、高らかに謳い、守り抜いていけるものでなくてはなりません。

人間学科は文学・哲学・歴史などを通して生命の尊厳への感性を磨き、それを科学の体系の根本に据え得るような力強い原理とできるよう、探究していきます。

また、「生命の尊厳」は、教育にかかわる者の生き方を支える原理です。

教授は一人の学生の尊厳を堅く信じ、学生もまた自身の尊厳を強く信じ抜く、その強靱な生命力こそ、教育の勝利には不可欠であります。

創価大学を永遠に生命力みなぎるキャンパスとするため、人間学科がその中核となれるように深く決意しています。

一.人類を結ぶ世界市民たれ!

「世界市民」とは、国家・民族・言語・宗教・イデオロギーなど、あらゆる文化的差異への執着や偏見を排し、互いの尊厳を認め、称えあう、相互理解・相互尊重の生き方の異名です。

そして、これまで、対立する国家間の橋渡し役を担い、また、共産圏やイスラム圏の識者とも対話を築き上げてこられた創立者は、間違いなくその体現者です。

人間学科は、創立者の生き方を継承しゆくため、世界事情や異文化の尊厳を虚心に学び、語学を磨いて世界の友と対話できる人材を輩出していきます。

そして、自身の中にある差別観を超克し、真の世界市民となれることを目指してまいります。

一.人間主義の勝利の指導者たれ!

何のために学ぶのか──創大は開学以来、常にこれを問うてきました。その答えが「人間主義」、すなわち、学問と教育の目的を人間の幸福に置く生き方であります。

政治・経済・芸術等、あらゆる文化もまた、同様に人間主義であるべきです。しかし、目先の利潤や空虚な権力にとらわれがちなのもまた人間の本性です。

これを変革しゆく人間革命の大闘争こそ、創立者池田先生が先頭に立って切り開いてくださった民衆闘争です。

文学部人間学科は、創立者のこの生き方を継承し、旧来の座学を排し、象牙の塔を打破して民衆の中に飛び込んでいく、その精神を学んでいきます。

そして、一人ももれなく民衆闘争の指導者として、ここから飛翔できるよう、共に闘って参ります。

人間学科に集った一人一人が、この三指針を生命に刻み込み、研鑽を重ね、社会において実践に移していきたい。

そのとき人間学科は、創立者の偉業を継承しゆく世界平和の拠点たり得ると信じます。

私自身、その一人として、全生命をかけてこの三指針の実践に取り組んでいく決意です。 

(聖教新聞2007年5月16日付2面「寄稿」より)

※本稿は5月3日に個人の所感として記したものを投稿したところ、寄稿としての新聞掲載をご配慮いただいたものです。


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