“学生こそ主役”へ一層の精進
山岡政紀
新年の開幕とともに開始された小説「新・人間革命」「智勇」の章には、昭和44年5月3日の本部総会で池田先生が、創価大学の構想を示された講演の内容が記され
ており、連日、創大の原点を再確認する思いで拝読しております。
私自身、平成2年に創大教員として赴任させていただいた際、この講演を拝読し、目の覚める思いがしたことをよく覚えています。
この講演で池田先生は、創価大学の教員は「教育に生命をかけて取り組む」教育者たるべきこと、また、学生に尊敬の念をもって接する民主的な教育者像を教えてくださっていました。
一般的に大学教員は研究者の社会的ステータスと思われています。私自身、国立大学大学院在籍中は、研究面では常に厳しい訓練を受けましたが、教育者としての訓練
は全くありませんでした。
ところが創立者の講演は、学生こそが大学の主役であり、学生のための教員という位置づけがはっきりしていたのです。この講演に触れ、私は教育者としてゼロからの
スタートだと新鮮な思いに立つことができ、教員生活の原点となりました。
以来13年間、この原点があったからこそ、学生と共に学び、学生のために尽くす実践が少しでもできたと感謝しています。
今にして思えば、学会活動の中で受けてきた訓練はすべて、教育の中で活かされていることを日々実感しています。創大生の勝利を願う創立者の真心に応えられるよ
う、一層の精進をと誓いを新たにしています。
(『聖教新聞』2003.1.12.付「声」より)© 聖教新聞社