バークレー日記

山岡政紀(YAMAOKA Masaki)


Oct/6/2005 パソコンと周辺機器


アメリカでの在外研究もちょうど半分が過ぎた。こちらでの生活で欠かせないものと言えば、何と言ってもパソコンだ。今日はわたくしのパソコン生活をレポートしてみたい。

◎ノート・パソコン
日本ではいつもデスクトップ・パソコンを使っているわたくしだが、在外研究期間のためにと、出発前の3月に秋葉原でノート・パソコンを購入した。安くてよい品物ということにこだわったので、有名なメーカーのものではなく、メーカー名も本体には記されていない。今のところ一度も故障することなく、立派に働いてくれている。こちらに来てから、ノート・パソコンを開かない日はない。最近のものはハードディスクも大容量で、わたくしのものは6ギガバイトも記憶できる。

◎インターネット
4月にインターネット・ブロードバンド(BBS)の契約をした。SBCというアメリカの通信会社のYahoo! DSLというBBSだ。日本でもYahoo!を使っているから、まあ同じようなものだろう。アパートに入ってすぐに申し込んだが開通まで2週間待たされた。インターネットが使えないと、こんなにも不便なものかと実感した。eメールだって読めない。この2週間はしかたなく、UCBのドー図書館にあるフリーのパソコンをネットカフェのように使って自分のメールを読んだ。まず、1週間後にモデムが届いた。こちらでは家庭用BBSの主流である無線LANモデムだった。ケーブルの長さを気にする必要がないので便利だ。同じアパートに住む大勢が無線LANを使っているらしく、電波が飛び交っていた。もちろんエントリーキーでセキュリティーは確保されている。セッティングしてから1週間後に開通するまでが長く感じられたが、開通してからは本当に重宝している。6月頃にUCBIDを持っている自分は大学内の無線LANに接続する権利もあることがわかった。以来、大学にもよくノート・パソコンを持ち込んでインターネットに接続して楽しんでいる。

◎ICレコーダー
パソコンの周辺機器のなかでわたくしの最大のお気に入りは、何と言っても録音用のICレコーダーだ。パソコンと一緒に秋葉原で買った「SANYO ICR-S300RM」。長所がいくつもある。@とにかく軽い。ジャケットの内ポケットにも忍ばせておける。かつての重いテープレコーダーとはえらい大違いだ。不動産屋との会話などで私のリスニング力不足のためにあとで問題にならないよう、こっそり録音しておいてあとで聞き直して確認する。A操作も簡単だ。赤いボタンを押すだけで録音が開始する。持ち運びの際に誤操作しないよう、ホールドという機能もある。Bデータが扱いやすい。テープやディスクといったメディアを一切使わず、ICチップにコンピューターのMP3データとして記録されていく。記憶容量は256MBとあまり大きくはない(そうは言ってもかつての1Mのフロッピーから見れば十分大容量だ)が、同じ256MBSDカードが入れ換え可能になっていて、最大512MBまで記憶できる。ノート・パソコンのUSBジャックに差せば、音声データがハードディスクにコピーされる。あとはパソコン上でいかようにでも扱える。C音声が実にクリアだ。びっくりするぐらいはっきりと記録されている。聴き取れないとすれば、自分の英語力の問題であって、データは本当にクリアだ。雑音を消してくれる機能でもついているのだろうか。D録音だけでなく、既存データの再生用としても使える。わたくしの場合、音楽CDやインターネットから入手したたくさんの音源をMP3データに変換してパソコンからICレコーダーにコピーしてイヤホンで聴く。iPodという、メディアを用いない音楽再生機器が話題になっているが、形状や多機能性にこだわらなければ、ICレコーダーをiPod代わりに使っても全く問題ない。実際、わたくしはこの半年、ダイエットのために毎日欠かさず散歩をしているが、その際、このICレコーダーにイヤホンを差して、時には大好きな音楽、時には英会話、時にはDr.サールの講義録音を聴きながら歩き回っている。はっきり言ってわたくしが以前愛用していたMDウォークマンよりもはるかに便利だ。もっとヒット商品になってもよいぐらいではないか。サンヨーさん、ありがとう、と言いたい。

◎デジタルカメラ
アメリカで購入した周辺機器の中では、デジタルカメラが一番だ。わたくしはデジカメ以前にそもそもカメラというものを所有したことがなかった。写真を撮ることにはほとんど無頓着で、旅行に出かけてもカメラを持っていないので、ほとんど画像での記録が残っていないことが多い。そんなわたくしだが、図書館で貴重な資料を見つけてもその場でスキャンすることもできない場合があり、デジタルカメラで撮影することを思いついたのだ。アメリカでは有名なパソコンの量販店「CompUSA」(アメリカ人の発音は「コンピューエセー」と聞こえる)のどでかい店が、オークランドの向こう側のエメリーヴィルという小さい街の一角にある。わたくしの愛器「Canon Power Shot SD300」はこのお店で黒人の人懐っこいお姉さんの説明(半分ぐらいはよくわからなかったが)を聞いて6月に購入した。買ってみると、フィルムではなく画像データとしてパソコンのハードディスクに記録されていくので、これはICレコーダーの画像版だな、と思った。SDカードを差し込んで使う点も共通している。これを購入して以来、カメラと縁のなかったわたくしが、アメリカでのいろいろな風景を記録するようになった。ところで、キャノンって、日本のメーカーだったはず。アメリカ人のお姉さんが日本の製品を英語で推薦してくれたことが何だか嬉しかった。キャノンさんにも、ありがとうと言っておこう。

◎スカイプ+ヘッドセット
機器ではなく、「機能」と言うべきだが、スカイプ(Skype)というインターネット国際通話サービスを愛用している。何と言ってもその最大の驚きは「無料」だということだ。日本にいる家族との会話はすべてスカイプ経由で、結局、国際電話など一度も使わなかった。そりゃそうだ。無料のスカイプがあるのに、何で高額の国際電話を使う必要があるだろうか。しかし、こういう方法があるなら、国際電話は衰退していく一方ではないかと思えてくる。ただ、スカイプの場合はパソコンを立ち上げておかないと、相手にかけてもつながらないという点が唯一の不利な点だ。妻とわたくしは互いに話したいときにどちらかが予告のメールを送って、双方がパソコンを立ち上げておくという習慣になった。だいたい日本の朝7時、こちらの夕方5時にかけることが多い。わたくしとしては、妻以上に息子の輝紀と話すことができるのが楽しみだった。妻には送ってほしいものなどをいろいろと頼んだりした。友人の話では、パソコンにカメラを備え付ければ、テレビ電話のように互いの顔を見ながら話すこともできるらしい。まあ、そこまでしようとは思わない。ヘッドホンとマイクがくっついたヘッドセットは専らスカイプ用に使った。これもUSBでパソコンにつなぐ周辺機器だ。手で持たなくてよいので楽でいい。スカイプは無料なのでつい長話になることもあるが、ヘッドセットなら手も耳も疲れなくていい。ところで、スカイプの開発者はどうやって稼いでいるのか、心配になったが、友人の話では電話回線との相互通話もできるようになっていて、それだけでも相当な収益を挙げているらしいとのこと。技術の発達というのは恐ろしいものだ。やはり、スカイプさん、ありがとうと言っておくべきか。

と、わたくしのパソコン生活レポートはここまで。このまま故障なく、順調なパソコン生活がつづくことを期待したいものだ。


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