バークレー日記

Masaki YAMAOKA


 

May/1/2005  言葉の‘時差’みつけた(3)  マイクロウェイブ・オーブン VS. 電子レンジ

       日本での私の主治医が渡航前に私の糖尿病について警告してくれた。それは、体重を落とすべきだとのアドバイスであった。主治医が言うには、アメリカの食事のほとんどは高カロリーで、だからアメリカ人はたいていカロリーを摂りすぎなのだという。その警告を受けてわたくしは、むしろこの一年間で体重を落として、健康を回復しようと決心したのである。

     実際のところこちらでは、毎日自炊を楽しんでおり、たまにしか外食に出かけない。体重は毎朝量っている。また、万歩計をつけて歩数を計るようにしている。目標は一日一万歩だ。わたくしはこの在外研究の一年間を規則正しく維持するつもりである。

       ところで、こちらの友人がわたくしに電子レンジを買うことを薦めてくれた。彼女が言うには、わたくしのような単身赴任の者には必需品だというのだ。しかし、わたくしが思うには、電子レンジ用の食品というのは高カロリーなので、今のところまだ電子レンジは買っていない。そして、アメリカではアパートの部屋を含むすべての家庭に、伝統的なオーブン(conventional oven)が備え付けられている。わたくしのアパートにも大きなのが一つある。日本ではオーブンを使ったことがなかったが、こちらではこのオーブンが料理の楽しみをわたくしに教えてくれている。

      
日本語では電子レンジと呼んでいるが、英語ではマイクロウェイブ(極超短波)・オーブンと呼ぶ。英語では、オーブンとレンジとは区別されている。「オーブン」は正面にドアがあって、その内側で料理をする装置であり、「レンジ」はその表面の上で料理を行う装置である。この区別は合理的である。おそらく、日本人はアメリカ人ほど「オーブン」というものになじみがないから、その区別がわからなかったのであろう。

      
それにきっと、新しもの好きの日本人が何か新しいものに「電子」という言葉を付けたがったんじゃないかと思う。たとえば、eメールが日本にお目見えしたとき、日本では「電子メール」と呼ばれていた。しかし今ではe-メールも新しいものではないし、電子レンジだってそうだ。「電子」なんて言葉はむしろ時代遅れな感じがするぐらいだ。
 

English May/1 My Findings of Word Lag(3) Microwave Oven VS. Denshi Renji


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