全学読書運動「Soka Book Wave2009 メッセージ

 

良書との出会い

学生部長 山岡政紀(YAMAOKA Masaki)


 読書は私にとって、小学生以来の趣味です。創価学園で過ごした中学高校時代は、太宰治にはまり、彼の全作品をほぼ読破しました。先日、懐かしい学園の生徒会 誌『渓流』が本棚から出てきて、そこに私が高校3年の時に記した、太宰の遺作『グッド・バイ』の感想文が掲載されていました。30年近く前のものですが、 不思議と内容はよく覚えています。本年は太宰治生誕100年。太宰を通じて多感な青春時代を回想しようと思います。

大学生以降の読書で最も衝撃を受けたのは、ヴィクトル・ユゴーの『九十三年』でした。 創立者池田先生も愛読されたこの書には「究極のヒューマニズム」が描かれており、日本の小説にはないスケールの大きさ、精神の探求の深さに言い知れぬ感動を覚えたものです。

作品との出会いは人との出会いに通じるようです。青年時代に世界の文豪のよき作品に触れることはその分、自身の人生観を深め、視野を広げてくれる貴重な経験 となります。学園時代に数度熟読した創立者池田大作先生の小説『人間革命』が、大学進学後の様々な経験によって追体験されたことが、私が先生に師事する人生を決意した要因の半分以上を占めています。

その後、大学院に進学し、学究の道に入って以降は学術論文を読むことが生活の中心になりました。趣味が高じて仕事になったようなものですが、まさに学問の中心が「読む」行為にあることは、私自身の実感でもあり、また真実です。さあ、皆さん、読書という大船に乗って新たな精神の航海に出ようではありませんか。

 

2009.4.2


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