朝霧寮生の皆さんへ

副学生部長 山岡政紀

 

朝霧寮生の皆さん、晴れやかな“姉妹のつどい”の開催、誠におめでとうございます。

 

創大の女子寮の中では、最も歴史が古く、また、庶民的な趣のある朝霧寮が私は一番好きです。

 

つい五日ほど前に、懐かしい創価学園の栄光寮を訪れる機会がありました。十八歳で卒業して以来、ちょうど十八年ぶりに寮の玄関をくぐった私は、涙が出そうなくらい感激しました。

その当時の栄光寮とは、場所も建物も全く違ってしまっているのですが、その名前と、そして何より、寮の伝統、精神が今も変わらず受け継がれていることに大変感動したのです。

格好つけたり、偽善ぶったりするのが嫌いで、学園の先生方にはよく反発したものです。私も仲間もみんなそうでした。それでも、創立者池田先生の真心にだけは絶対に応えたい。創立者だけは自分たちのことをわかってくださるんだと、その当時、純粋にそう思っていたものです。

今でも寮の仏間には、創立者をお迎えしようとする熱意、創立者にお応えしていこうとする決意の思いが、スローガンとして貼り出されておりました。そこに集う寮生たちの眼差しもとっても純粋でした。ああ、あの頃と一緒だなと感慨にふけった次第です。

 

二十一世紀になっても、何十年経って、仮に今の朝霧寮の建物がなくなったとしても、朝霧寮の精神が永遠に継承されていくことを私は確信します。

かけがえのない、人生の原点たる寮生活の一日一日を大切に、生涯にわたる友情を育みながら、悔いなく過ごされるよう、ご祈念致します。

 

1998.10.3 (朝霧寮文集『絆』より)

 

※本稿執筆当時、朝霧寮は創大キャンパス内の「文学の池」に近い、白萩寮隣にありましたが、その後、新滝山街道開通工事の関係で、現在の八王子市犬目町に移転しました。


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