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教育研究の概要

(1) 学校の物理教員時代の研究から

 物理教員のときは、一つのアウトラインにそって多様な分野から素材を選んで投稿論文などをたくさん出した。その中からいくつか紹介してみたい。

①太陽紫外線測定(高校科学部での実践)

②熱学法則をどう理解させるか(物理)

③総合学習「探究」の実践(総合・学校への貢献)

(2) 原発放射能/理科教育

 福島第一原子力発電所事故によって放出された莫大な放射能による環境汚染について、公開されたデータをもとに分析しています。また、脱原発に向けた道筋に ついて模索しています。また、日本の理科教育に最も欠けている科学的リテラシーの育成について、原子力の単元を実例に模索しています。

①原発事故で放出された放射性セシウムは自然減衰はどの くらい?・・・・・Cs137とCs134の比率から考察

②原発事故で各県に放出された放射性ヨウ素は?・・・・・ Cs137+Cs134とI131の比率から考察

③東京に降った放射性ヨウ素はどのくらい? 放射性 ヨウ素でどれだけ被曝したのか?

④福島における放射性セシウムは季節変動をしている?

⑤原発汚染水を水素・ヘリウム同位体模型で考える


(3) 常温熱機関の作動と教材化

① 水飲み鳥の周期的動作-高校理科教材化Ⅰ-

②水飲み鳥 の熱的特徴-高校理科教材化Ⅱ-

 水飲み鳥は胴体と頭部の温度差による熱機関である。ウランはおろか化石燃料がほとんどなくなってしまう400~500年後の将来、細々と生き続ける人類の エネルギー源として、巨大な水飲み鳥装置が海岸線にいくつも設置されているかもしれない。拙著「学校理科で探究する生活科学-エネルギー・電磁波・放射能」 (大学教育出版 2012)、pp108-125 に、上記論文の再掲(大学生向きに分かりやすくしている)とともに、水飲み鳥の周期的動作とランキンサイク ル、スターリングサイクル、カルノーサイクルの比較が示されている。

(4) 水スターリング熱機関の作動機構の解明と教材化

 エネルギー教材装置「水スターリング熱機関」を用いて、水面振動と圧力変動の計測、共鳴管の最適長を決める変数を特定する研究を行っています。装置本体の 左側は膨張室(高温部)の水面振動、右側は圧縮室(低温部)の水面振動です。右端の細い水柱はパワーピストンの振動を示します。

・共鳴管理論から

・水スターリング熱機関の作動(動画)

・ECXELVBAによるシミュレーション

 1)現実水スターリング熱機関 の作動

 2)理想水スターリング熱機関 の作動

 3)斜方投射(物理基礎の教材用)


(5) エネルギー・防災教育(教材化)

机上ですぐに観察できる竜巻装置から

 理科教育と防災教育を総合などの授業で実施できたらと考えています。そのための準備として、小中学校の実験室で竜巻を再現させる教材を作っています。ペッ トボトルに接続するタイプの加湿器を用いて微少な水滴の上昇流を作り出しています。下の図のように横風を2つの向きから当て、8枚の導風板の角度 と深さを調節して上昇流の周辺に回転作用を与えます。そうすると、上昇流が回転しはじめ渦を作り出します。この装置は、

・上昇気流
・横風によるモーメ

という条件があれば竜巻が発生し得ることを理解できる教材です。このような基本的な考え方は低気圧や台風(熱帯低気圧)にも当てはまります。(厳密には、渦 と回転は区別しなければなりません。)


装置図
上の装置で観察された動画です。動画1は上昇流のみ、動画2は竜巻の再現です。
・パソコン用動画1(上昇流)
・パソコン用動画2(渦発)
・スマートホン用動画1(上昇 流)
・スマートホン用動画2(渦発生)
・スマートホン用動画3(渦発生-2)

渦の画像
渦