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小中学校の机上で竜巻様の渦を簡単に発生させる装置の製作と教材化に向けて

大会の様子

 2014年8月11・12日、調布市の電気通信大学で、第31回物理教育研究大会が行われました。下は大会風景です。200人近い参加者がありました。高 校物理の先生方や大学の物理教育担当の先生方が多かったように思われます。

大会風景
 筆者が下記の内容で口頭発表しました。実験室の渦発生装置と実際の現象(低気圧や竜巻)との対応をどうつけるか、一様回転(rotV=2ω)と渦は異なるな ど、今 後の教材化に有益なご指摘がありました。和歌山大学の藤田先生から次のようなコメントもいただきました。
「渦とはどんなものでしょうか。簡単のため、 z軸に沿った一本の理想的な渦を考えると、z軸からの距離をRとしたとき渦による円周方向の流れの大きさは (K/r) で表され、 つまり、z軸に限りなく近づけば流れの速度は無限大になるような流れです。」 渦は中心に向かうほど流れの速度は回転の軸からの距離に反比例して増加していくものです。これは角運動量が保存されるためですが、自然に生じる渦も中心から離れる とほぼこのようになっています。

発表用レジュメ要旨
 小学校第5学年理科の単元「雲と天気の変化」では、雲の動きと天気の変化や台風の移動経路を学び、中学校理科第2分野の単元「大気の動きと天気の変化」では 前線 や温帯低気圧などを学習する。ここでは、学習者が温帯低気圧や台風(熱帯低気圧)を理解するための原体験となるような渦を机上で簡単に観察できる装置を作り、防災 教育にもつないでいけるような教材化を試みた。レジュメと動画は下記より。
 →発表用レジュメ(pdf)

 →水竜巻様 の渦動画(パソコンから)

 →水竜巻様の渦動画(スマートホンから)

加湿器を用いた竜巻装置の作り方
 市販の加湿器に少し手をくわえると次のような装置ができます。作り方は次の通り、2時間ほどで製作完了。
①下図の緑色のカバーをはずし、ペットボトルの胴体を設置します。
②胴体に3列の立て溝を切ります。
③胴体上部に巻き上げ用ファン(モーター+模型用スクリュー)を取り付けます。
④本体にはめ込みます。できあがり。
外部電源でファンを回すと、横方向から空気が右回りに流れ込み、それが振動子上部で発生したミストを回転させます。回転するミストはファンによって巻き上げら れて 中央部に流れ込みます。このとき速度を増して渦になります。
市販の加湿器を応用
加湿器を用いた竜巻装置の動画は下記から見る事ができます。
 ・パソコンはこちら
 ・スマートフォンはこち ら