テキスト ボックス: 文学部教員インタビュー NO.3
創立の志を胸に、一流の教育者を目指して
日本語日本文学科教授  山岡(やまおか) 政紀(まさき)

 

 

 

 

 

 

 

 

4月から1年間,在外研究でアメリカに出発されると伺っております。

 

カリフォルニア大学バークレー校(UCB)に行きます。UCBは、15人ものノーベル賞受賞者を輩出した名門です。そこで、言語哲学の世界的権威であるサール博士の下で学ぶことになります。院生時代以来、幾冊も著作を読み、学んできたサール博士に直接、手紙を出したところ、快く客員研究員として受け入れてくださり、本当にありがたく思っています。

 

アメリカで、日本語を研究することに不思議な気がいたしますが、どのような研究をされるのでしょうか。

 

UCBでの研究テーマは日本語学というより、言語哲学です。サール博士は日本語が全くできないはずですから、すべて英語でのやり取りになると思います。

日本語の文法の研究をすればするほど、個別言語である日本語の構造だけでなく、より基礎的で普遍的なコミュニケーションや対人関係のあり方から解明しなければならないことが分かります。それで、言葉という形となって外に現れる前の、つまり言葉を生み出す動機づけとも言うべき意味の研究を進めています。

この1年間の研究成果を著書として出版し、創価大学での教育活動にも還元していきたいと思っております。

 

言語学に興味をもたれた理由(わけ)

 

高校時代は古典国語が得意だったので、国文学専攻を希望して筑波大学に進学したのですが、筑波大学の組織は複雑で、私が進学した人文学類には文学専攻はなく、言語学を専攻するしかありませんでした。

大学で出会った言語学は非常に緻密で、人文科学と言っても、まるで数学のように合理的思考を必要とします。それが自分に向いていたかもしれません。無意識の構造を意識化して記述するという構造主義的な発想にも魅力を感じ、大学院まで進学しました。

 

日本語日本文学科の創設時のメンバーとして創大にこられましたね。

 

最初の2年間は、日本語別科で留学生を対象に授業を担当いたしました。924月から日本語日本文学科の講師に就任いたしました。

その前に筑波大学助手をしておりましたが、どちらかといえば研究中心の生活をしておりました。創大に来て教育主体の生活となり、私にとっては大きな変化でしたが、一流の人材を輩出できるよう、自身も一流の教育者を目指そうと決意を新たにしました。

 

京都の山科(やましな)のご出身だと伺っておりますが、小平市の創価中学校へ進学されていますね。

 

武蔵野の地にある素晴らしい校風にあこがれて学園を希望しました。中学校、高校と6年間、寮生活をしました。楽しかったですね。一度もホームシックにかかった事はありません。経済的に余裕のないなか、東京へ送ってくれた両親に感謝しています。

中学2年生の時、寮生と創立者との懇談会の機会がありました。その時、創立者から「君は、将来、学者になりなさい」と直接、激励されました。当時、学者を目指してはいませんでしたが、後々人生の岐路に立ったときに、その時の言葉が支えとなりました。

 

学内では、学生部副部長として活躍される一方、創価大学パイオニア吹奏楽団の顧問としても長年、貢献されていますが。

 

私自身も吹奏楽の経験者ですが、吹奏楽は、繊細で情緒豊かなメロディーというより、行進曲や軍歌など勇ましく、人々を鼓舞し、勇気を与える音楽を得意とします。そのような音楽を表現するには、技術だけでなく人間を磨くことも必要になります。演奏に際しても、自身が前に進む勇気がなければ、人に勇気を与えることなどできません。そこで培ったものは、社会に出てからも必ず活きると確信しています。

創価大学パイオニア吹奏楽団は、昨年、全国アンサンブルコンテストの金管8重奏で東京代表(1団体のみ)になるなど、学生たちの奮闘で目覚ましい活躍をしています。

また、ラテン・アメリカ研究会の副顧問もしております。クラブは自発能動の意思に基づく人間教育の場として重要だと考えています。

 

現在の学生へひと言。

 

創価大学のキャンパスは、本当に素晴らしい。建学の精神を求めて集いあった仲間達との触れ合いの中で、大きく成長できることは間違いありません。しかし、キャンパスから離れて、社会に出ると厳しい現実が待ち受けています。

その実社会で勝利してこそ創大スピリットを世に問うことができるわけです。是非とも、どの分野であっても、社会で勝利者になってほしいと思います。

 

日本語日本文学科を目指す皆さんへメッセージをお願いします。

 

これからの国際化の時代に要望されるのは、日本という内側に閉じこもるのではなく、日本文学や日本文化を世界に発信していくことです。そのためには、私達自身が、相手に認められるだけの内容をもつ事が大切です。案外と自分自身の言語や文化を知らない場合が多いのです。日本語教師にしても、海外の学生が求めているのは、日本語だけでなく、奥深い文化や歴史を知りたいのです。海外の大学で教鞭をとっている卒業生が多いのも本学科の特色です。国際化が進めば進むほど卒業生の活躍の場は増えていくでしょう。

また、文学部は,「人間そのもの」を学問の対象とした、いわば創価の精神(人間学)を直接探求している学部です。これからが、いよいよ本番だとの思いで、私自身も頑張ります。

                      2005.3.17取材)

 

 

山岡 政紀 Masaki Yamaoka

 

●ホームページ:

http://www.succ.soka.ac.jp/~myamaoka/

●担当授業科目

日本語教材研究、言語学入門

●ゼミのテーマ

「日本語教育のための現代日本語研究」

●主な研究テーマ

言語の構造(なりたち)と機能(はたらき)との間を橋渡しする、さまざまな法則や条件について研究している

●主な著書

「日本語の述語と文機能」(くろしお出版)